香港への旅行の第一の目的はショッピング、という方も多いのではないでしょうか。

ショッピングモールにも、高級ブランド店が軒を連ね、毎日賑わいを見せています。

消費税、関税がかからない自由貿易港、香港。

「買い物天国」としばしば表現される香港の税金制度とお金事情について、書いてみようと思います。

香港の税金

香港の税金事情についてみてみましょう。

買い物天国、香港

香港での買い物は、基本的に消費税・関税がかかりません。

これらの税金がかからない分、香港ではお得に買い物ができますね。

その税制を利用した並行輸入品を扱うショップは日本でも多く見られます。

しかし全てのブランドが日本より安い価格で販売されているということではないようです。

買い物天国香港においても、購入前にはきちんと価格を比べるということが必要です。

サービス料

香港では、ファストフード店以外のほとんどのレストランでは10パーセントの「サービス料」がかかります。

ローカル店ではかからないところもあり、そんなお店を見つけたときは”当たり”を引いたような気分になります。

香港に暮らす全ての人々が利用しているといっても過言ではない、レストラン口コミサイト「OPEN RICE」ではサービス料の有無が確認できますので、
新しいレストランへ行く際は是非チェックしてみましょう。

水より安い?

アルコール度数30パーセント以下のお酒には税金がかからない、という酒税なしの香港では時々驚きの光景を目にします。

私が普段買い物をしているスーパーは水曜日が特売日なのですが、缶ビールの値段を見てびっくり。

350mlの日本の缶ビールが、8HKD(約110円)でワゴンに山積みにされているのです。

水よりビールの方が安いというのは驚きました。

お酒が大好きな友人は、発泡酒なみの値段でビールが飲めるなんて!と感動していました。

ちなみに香港人はお酒を飲まない人が多く、レストランでもアルコールを置いていないところは意外に多くあります。

その代わり、アルコールの持ち込みOKというところも結構ありますので、お酒好きな方はご安心ください。

香港の社会保険

香港ドルを手渡す手首
香港の保険事情はどうなっているかご紹介します。

香港の年金制度

香港では、MPF(強制積立金/Mandatory Provident Fund)という名目で給料の10パーセントが天引きされます。

このうち10パーセントのうち、雇い主と従業員で5パーセントずつ負担します。

そして積立金として、このお金が信託会社に預けられ、満期となる65歳になると受け取れるというシステムです。

フルタイム、パートタイムなどの雇用形態にかかわらず18歳から65歳までの従業員が対象ですが、
香港で働く外国人のうち自国の年金制度に加入している場合は加入を免除することが可能です。

香港の健康保険制度

香港には、国の健康保険制度はありません。

基本的には個人での加入となりますが、会社によっては、会社負担による健康保険加入を、社員の福利厚生の一つとして挙げているところもあります。

しかし会社加入分だけでは、保険によってカバーする範囲が十分でないために、個人保険も併せて加入しているという人もいるようです。

香港の公立病院においては、香港ID保持者は一律料金で安く治療を受けることができます。

しかし押しなべて待ち時間が長く、救急であってもトリアージの結果、非緊急と判断されれば何時間でも待たされてしまうという現状があるのです。

一方、私立病院では待ち時間がほとんどない代わりに、かなりの費用が掛かります。

私は昨年末に体調を崩し、私立病院を受診し検査を受けた結果、手術をすることになり、2泊3日の入院を経験しました。

まず入院前の手続き中に確認されたのが、加入している保険の限度額についてでした。

かなり高額な治療費になってしまうことが予想されるため、事前に確認を取っているとのことでした。

幸い私の加入している保険の限度額に制限は無いものだったので、安心して入院を決めることができました。

そして退院後の会計時、もちろん「高い」ということは想像していたのですが、想像を超える金額を目にすることとなりました。

請求額は18万香港ドル、日本円で約250万円です。

この時ばかりは、保険加入の必要性を強く感じました。

香港で生活を考えている方は、必ず健康保険に加入することをおすすめします。

香港の自動車初回登録税

香港で走る車
バスや電車など、交通網が発達していて、更にタクシーも手軽に利用できる香港では、マイカーの必要性は高くないように感じます。

一般的に香港でマイカーを持つことは、多額のお金がかかると言われており、その理由の一つが、新車を購入する際にかかる税金です。

自動車初回登録税は、車体の価格によって40~115%の税金が課税されます。

それでも、超高級車といわれる車を日常的に見かけますので、いかにお金に余裕のある人が香港には多いのかということを実感します。

土地の高騰が続く香港ですが、駐車場の価格も桁違いです。

2017年のニュースですが、香港の証券会社の会長が駐車場を518万香港ドル(約7000万円)で購入したということがありました。

香港ではマイカーを持たずとも不便を感じることはありませんので、ご安心ください。

レジ袋は有料

香港では、スーパーマーケットなどで買い物をした際にレジ袋がついてきません。

日本でも昨今はマイバッグを推進しているお店も見られますが、香港ではほぼ全店舗でレジ袋が有料化されています。

レジ袋は1枚50セント(約7円)の料金がかかりますので、買い物の際にはマイバッグを持参するのが良いと思います。

当初、私はレジ袋が有料ということを知りませんでした。

香港へ来て間もないころ、太子(プリンス エドワード)のフラワーマーケットで、バジルの鉢植えを購入しました。

お金を支払うと、そのまま鉢植えを手渡されたのでびっくりして、袋をくださいと英語でお願いしたものの通じず困っていたら、後ろに並んでいた方が通訳してくださり、袋は有料であることを教えてくれました。

日本ではマイバッグを持ち歩く習慣がなかった私も、今では外出の時には必ず持つようにしています。

普段使っているカバンにひとつ入れておくと、便利だと思います。

香港の税事情まとめ

香港の税に関してまとめると以下のようなものになります。

  • ・消費税がない香港だが、多くのレストランで10パーセントのサービス料が請求される。
  • ・お酒が安い香港だが、香港人はお酒を飲まない人が多い。
  • ・香港の年金制度MPFは、給料から10パーセント天引きされる。
  • ・国の健康保険制度がない香港では、個人で健康保険を契約する必要がある。
  • ・レジ袋が有料である。

消費税や関税がないという点において、買い物目的で香港を訪れる方にとってはお得感がある香港。

しかし香港の住民にとっては、国の健康保険制度がないことや、土地の高騰による格差社会が大きな社会問題となっています。

世界一億万長者が多いとされる香港においても、たった1畳に満たないスペースで生活をしている人もいます。

世界有数の金融都市である香港のお金事情をのぞいてみると、香港が抱える大きく暗い問題も浮き彫りになってくるのです。

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