香港に住みたい!会社から住居手当がでれば問題なく暮らせそうですが、現地採用となるとちゃんと生活していけるかどうかちょっと心配ですよね。

そこで今回は香港で現地採用された場合、どんな生活ができるのかについてお話しします。

また、生活費を抑えるためには欠かせない住居費、ネットで格安物件を探すときに知っておきたい広東語情報もご覧ください。(ドルは全て香港ドルで、2018年現在1香港ドルは14円前後です)

香港の生活費は世界第4位

イギリスの情報誌エコノミスト(1)によると、世界で最も生活費が高い都市はシンガポール、香港はパリ、チューリッヒに続いて第4位。

日本の都市は10位以内に入っていないことを見ても、香港で生活するのはなかなか厳しそうです。

少し古い資料になりますが、香港政府の統計局が発表した2014/2015年の1ヶ月の生活費の平均(2)は一世帯あたり2万7627ドル、1人あたりでは9253ドルになるそうです。日本円にすると13万円ぐらいです。

生活費の内訳

香港ドル

生活費といってもいろいろありますよね。この調査では世帯あたりの収入で4グループに分け、生活費のうち、何にお金をかけているかをレポートしています。

収入がもっとも少ない月額1.3万ドル以下の世帯では、食品の占める割合が一番高く、その次が住居費で、住居費が生活費に占める割合は実に35%近くにのぼっています。

現地採用の日本人の給料が1.5万〜2万ドルだということを考えると、食費、住居費の違いが生活費の違いにつながるのは間違いありません。

食費

次に食費について見ていきましょう

•朝食
o自宅でパンとコーヒーなどですませれば10ドル以下(100円ぐらい)
o大家樂などのファーストフードチェーン、茶餐廳(チャーチャンテン)と呼ばれる香港式軽食レストランだと30〜40ドル(400〜600円前後)

•昼食
oファーストフードチェーン、茶餐廳→麺類30〜40ドル、ご飯とおかずにスープがついた定食で40〜50ドル (400〜700円)
o西洋料理、アジア料理、日本料理などのちゃんとしたレストラン100〜200ドル(1500〜3000円前後)

•夕食
oファーストフードチェーン、茶餐廳→昼食と同じか、少し高い程度(400〜1000円)
o西洋料理、アジア料理、日本料理などのちゃんとしたレストラン→150ドル〜(2000円〜)。ランチセットなどがなくなるので、ランチよりかなり高くなるレストランも多いです。
o自炊→何を作るかによりますが、一食10〜20ドル(200〜300円)で済ますことができます。

水道、光熱費

水道代やガス代は日本と比べるとかなり安いです。

電気代も日本より安いのですが、香港は年中暖かく、ジメジメした日が多いので、ついついエアコンを使いがち。

というよりも、エアコンや除湿機を使わないと洗濯物が乾かなかったり、カビに悩まされたりしますので、使わないわけにはいかないというのが現実です。

交通費

日本では交通費は会社持ちのところが多いですが、香港は自腹です。

しかし、うれしいことに、タクシーも公共交通機関も日本より安いです。

家賃が安い、郊外に住んだと想定してみましょう。

最近日本人も増えてきた新界の将軍澳から中環まで地下鉄で片道14.2ドルですから往復で30ドル以下、日本円で400円前後になります。

基本的に公共交通機関を使うとすると、1ヶ月の交通費は700〜800ドル(1万円前後)で十分でしょう。

ただし地下鉄の駅に出るのにミニバスやバスを使う必要があるところ(西貢、離島など)に住むと、地下鉄を利用するまでに、かなりお金がかかるので、2万円ぐらい必要になることもあります。

インターネット・その他雑費

インターネット代は日本と同じぐらい、日常生活、消耗品などの雑費は日本と同じか、少し安いぐらいだと考えておけばいいでしょう。

家賃

香港
家賃については、こちらの記事でも詳しく紹介していますが
(目玉が飛び出るほど高い!?香港の家賃って、どんだけ? 香港の住まい探し)

その中で「自分の足で探す」とした部分の1つ、ネットで香港人向けのサイトを使って部屋を探す方法をご紹介します。

ネットで「香港地産祖屋」を使って検索すると、香港の不動産のサイトがたくさん出てくると思います。「祖」というのは「賃貸」のことです。

サイトの使い方は日本の不動産サイトとあまり変わりませんので、ちょっとのぞいてみてください。香港にどんな物件があるかチェックできますよ。

物件の検索に使う言葉日本語→広東語

o地域(區域)→「香港島、九龍、新界、離島」
o物件の種類(類別/用途)→「住宅」
o家賃(祖金)元→香港ドル
o部屋数(間隔)スタジオ→開放式〜部屋→〜房キッチン→廳「1房1廳」は日本でいう1K
o面積(平方呎)→面積についてはここ(目玉が飛び出るほど高い!?香港の家賃って、どんだけ? 香港の住まい探し)に詳しく説明してあります。
o築年数(屋苑樓齢)

その他によく使われる言葉広東語→日本語

o業主→部屋のオーナー代理→不動産屋
「業主自譲」などの表現があれば、オーナーと直接交渉して、借りることになります。
o傢電→普通は洗濯機、冷蔵庫、ガス台、換気扇などのいわゆる白物家電
o抽煙→喫煙 不抽煙→禁煙 (香港は結構多いです)
o竉物→ペット不竉物→ペット不可可養竉物→ペット可
o免佣→仲介料なし
o差餉/地祖固定資産税
「包差餉」とあったら、物件の固定資産税はオーナーが払うことを意味します。以下はよく見かける「包」を使った表現です。
「包管理費」→管理費「包水電」→水道、光熱費込み
o即祖即住→契約後、直ちに住むことができます
o服務式住宅→サービスアパート
o套房/分祖→アパート内の一部屋だけを貸し出し
o按金→デポジット(敷金)普通は家賃の1〜2ヶ月分

建物に関する言葉

o「屋苑」とか「〜花園」とかの名前があるのは、何棟ものビルがある、大型マンションでプールやクラブハウスなどの施設があることもあります
o「単幢式大廈」「〜大廈」とあるのは、1つのビルをアパートしたもので、割と古い建物が多いです。「唐樓」も同様
o「高層、中層、低層」はその部屋がビルの何階あたりにあるかということです。

参考サイト

私が実際に使ったわけではありませんので、ここがいいとおススメするのではありませんが、ネットで不動産情報が得られる香港のサイト2つと、日本語の情報サイトをご紹介します。

28Hse.com
https://www.28hse.com

591房屋交易.com.hk
https://www.591.com.hk

香港掲示板(不動産・物件ページで検索可)
https://kaigai-bbs.com/chn/hkg/

まとめ

香港の生活費で大きな割合を占めるのは食費と住居費。

食費は自炊をする、茶餐廳を利用するなどすれば、日本より安くすますことも可能です。

住居費は今回ご紹介したサイトで探すと1万ドル以下の物件もたくさん見つけられます。オーナーとの直接取引のため、英語や広東語を使う必要がありますが、香港人は一般的に日本人歓迎なので、意外と簡単に交渉できると思います。

香港にいるなら、地元の不動産屋さんものぞいてみてください。

検索サイトと同じぐらいの家賃の物件を紹介してもらえる可能性大です。不動産屋を利用した場合、仲介料はオーナーが払うのか、借り手が払うのか、折半なのか必ず確認してください。

交際費についてですが、安いところに住めれば、交際費も増やせますが、生活が厳しければ、交際費なんて言ってはいられませんので、今回は触れませんでした。

香港では生活費を切りつめようとすると、住環境に影響がいきます。逆にお金を使おうと思えば、ものすごーく簡単に使えるところなので、心配はご無用です。

出典元:
(1) The Economist
https://www.economist.com/graphic-detail/2018/03/15/asian-and-european-cities-compete-for-the-title-of-most-expensive-city

(2) 香港政府統計處
https://www.censtatd.gov.hk/hkstat/sub/so290_tc.jsp

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