香港には大小様々な数百もの離島があります。いくつかの島には、香港島からフェリーが出ており、アクセスも容易。今回は、そのひとつ「ラマ島(南丫島, Lamma Island)」をご紹介します。
ラマ島は、香港にある離島の中ではランタオ島の次に大きく、メジャーな島です。新石器時代からすでに人類が住んでいたことが考古学的に証明されているそうです。
この島の人口は1万人ぐらいとされています。ここへは、主要地域である香港島からフェリーに乗って40分ほどで行かれ、比較的近場の離島だと言えます。
同島のエリアは大きく2つで、「榕樹灣(ヨンシューワーン / Yung Shue Wan)」というエリアは住民の集まるエリア、「索罟灣(ソッグーワーン / Sok Kwu Wan)」エリアは海鮮料理店などが集まる観光地エリアとなっています。
名前の「ラマ島」とは?
中国語では「南丫島」と書きます。この「丫」は、アルファベットのYではなく、れっきとした漢字で、二股にわかれている、という意味で、発音は「a-」です。
「南丫 Naam A」ナーム、アーと発音しますが、地元の人々の広東語の発音は、Nの鼻音が弱く、Laamに近く聞こえ、さらに音がつながって、LaamAと一種のリエゾン(連声)になるため、「ラーマー」と聞こえるのです。それが英語の綴りで「Lamma Island」となったものです。
ラマ島のアクセス
魅力的なラマ島へのアクセス方法ですが、香港島のセントラルにフェリー乗り場があり、そのから20-40分おきにフェリーが出ています。
島には2カ所の船着き場があり、1カ所は島の北部の榕樹灣(ヨンシューワーン / Yung Shue Wan)、もう1カ所は中部にある索罟灣(ソッグーワーン / Sok Kwu Wan)です。
中環(セントラル)とはフェリーで結ばれており、時間はおよそ30分ほど。
料金は、榕樹灣へは普通船(35分)でHK$14.5ですが、休日はやや高くなります。公式サイトでご確認ください。
榕樹灣(ヨンシューワーン / Yung Shue Wan)へのフェリーの時刻表
索罟灣(ソッグーワーン / Sok Kwu Wan)へのフェリーの時刻表
ラマ島ハイキングは楽ちん&楽しい!
基本的なラマ島の楽しみかたは、まず榕樹灣から船で入って、トレイルで南下して行き、最後に索罟灣で終わるというのハイキングコースを行くのがおすすめです。
この道のりでは、南国ムードあふれる地元の住宅地が見られますよ。
同島はビジネス中心地であるセントラルまでドアtoドアでも1時間もかからないため、くつろげる居住環境を重視する欧米人たちが昔から好んで住んでいます。
ほどほどに人が住み、しかし大自然も残されている、絶妙のバランスで非常に心地よいエリアだと言えます。
榕樹灣と索罟灣を結ぶハイキングコースは、およそ1時間30分。緑豊かな自然を歩きながら海を間近に望み、のんびりと歩きましょう。
法規制で車が1台も走らないクリーンな島
同島には榕樹灣と索罟灣という2つの船着場がありますが、住民は殆どがヨンシューワンのエリアに住んでいるので、こちらの乗客が多くなっています。
この2つのエリアはともに自動車が走らず、狭い道しかありません。
ここをのんびりと90分かけてのウォーキングで移動していきますが、住んでいる地元の人は自転車も使っているようです。
溶樹灣に入るフェリーが船着き場に到着したら下船し、日よけ帽子をかぶってのんびりと、徒歩で村のメインストリートを奥へと歩いて行きましょう。
フェリー乗り場につくと、西洋人が目立つのに気づくでしょう。住民には白人の人が少なくないからです。
フェリーを降り道なりに歩き、ラマ島の居住地(村)の中へ入っていけます。セントラルからわずか30分の船旅で、まったく雰囲気の違う地域にきたわけです。
同島には前述のように自動車がないため、榕樹灣の船着場への通りや橋には、多くの個人の自転車が置いてあります。
ちなみに日本語で行き先表示が書かれているところも見かけられました。
ラマ島で一番の繁華街ストリート「榕樹灣大街」を進んでいきます。
この通りには、おしゃれなカフェ、新鮮なシーフードを楽しめる中華海鮮料理店、アート風土産物雑貨店など、ナイスなお店がひしめいています。
裏路地のほうにも、いろいろな物売りの方が商売をされていますので、ぜひ見ていってくださいね。
ここを抜けてしばらく歩くと、遠くには発電所が見えますが、これは洪聖爺海灘近くにある、3本の煙突の火力発電所です。
この洪聖爺海灘(ホンセンイェ ホーイターン Hung Shing Yeh Beach)は人気のビーチ。ヨンシューワーン船着場からきれいに舗装された通りを歩き、徒歩20分ほどで到着します。
小さな店の並ぶ道を抜けていくと、本格的ハイキングコースが開けます。
この島を歩きながら見られる主な見どころをご紹介しましょう。
海の守り神「天后廟」をのぞいてみよう
海の女神「天后(ティンハウ)」は、漁師にとっての信仰の対象。彼女を称える寺院は、アジアの中国沿岸地域でたくさんあります。
香港も例外ではなく、このラマ島にも「天后廟」(Tin Hau Temple)があります。
ラマ風力発電所
コースの途中には、クリーンエネルギーの「ラマ風力発電所」があります。
ここは「ラマウィンズ(南丫風采發電站 / Lamma Wind Power Station)」といい、風力発電設備が遠くから見られます。風力タービンで発電する施設は香港としては初のもので、高さは71mあります。
香港にある電力会社の一つ、HK Electricでは、香港での再生可能なエネルギーの研究のため、ラマ島に風力タービンを設置。
翼の直径50m、ハブの高さ46m、定格出力800kWという風車が、島の陸上での風速が3-25m /秒の風を受けて発電を行っています
これにより、公式発表では毎年平均800トンのCO2排出量を相殺しているとのこと。
ここではリアルタイムのデータが表示される「エネルギーメータ」も設置されていて、ハイキングの途中でもここを見学することが可能です。(毎日午前7時-午後6時)
ラマ・ウインズの地図
南丫風采發電站 Access
アクセス:セントラルのフェリー乗り場から「榕樹灣碼頭(yung Shue Wan Pier)」まで船で到着後、島のメインストリートを徒歩約30分で「警察署」付近に到着、ここから左折して坂を約15分登る。
⇒Online Form
https://www.hkelectric.com/en/our-operations/electricity-generation/application-for-visit-to-hk-electric
90分ほどで終点に
さて、ラマ島の北部、榕樹灣(ヨンシューワーン / Yung Shue Wan)から始まったハイキングは、最後に島の中部の索罟灣(ソッグーワーン)で終了します。この船着き場近辺には、店先に水槽を設置した中華海鮮レストランが数件並んでいます。ラマ島で大自然とのふれあいトレッキングを楽しんだ後は、最後に海鮮料理を賞味しましょう。
注意事項:中環~索罟灣のフェリーの本数は少ないので、索罟灣から中環に戻る便の出発時刻を事前にチェックしておく必要があります。
ラマ島の名店
「豆腐花」が美味しい~建興亞婆豆腐花
さて大通りを抜け、さらに緑の広がる道を路傍に簡素な作りのスイーツ屋さんが見えます。
ここラマ島で超有名なローカルスイーツ「豆腐花 ダウフーファー」の店。名物のひんやりした豆乳のプリン(糖蜜がけ)がいただけます。
アクセス
所在地:南丫島榕樹灣大灣肚1號 (No.1, Yung Shue Wan, Tai Wan To, Lamma Island)
美味しいシーフードなら天虹海鮮酒家
ラマ島には味自慢の海鮮料理のお店が多く、何軒も軒をつらねています。
お店はどこでも、店先にとれたての魚が入った水槽が並べられており、お客が自由に品定めして注文することができるのです。日本にはなかなかないシステムですね。
指さして「これ」と言えは、すぐに取り出して料理してくれるのです。
なかでも島で一番の人気は「天虹海鮮酒家」というレストラン。
ここはなんと、市街地からチャーターの船で予約客を無料送迎してくれます。
天虹海鮮酒家 情報
所在地 | 香港南丫島索罟灣第一街23-35號(23-25 First Street, Sok Kwu Wan, Lamma Island, Hong Kong) |
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アクセス | 索罟灣フェリー乗場のすぐ横です。 |
電話 | +852-2982-8338 |
専用フェリーの予約電話 | +852-2982-8100 |
メニュー(公式サイトより) | menu.php |
Bookworm Cafe
「本の虫カフェ」という名前のカフェレストランが西洋人に大人気です。
ここは、オーガニック野菜のベジタリアン料理で有名です。また、店名どおり「ゆったり本を読める」カフェになっていますので、ぜひお気に入りの本を一冊もってきてはいかがでしょうか。
オーガニックのコーヒー豆から作られたカプチーノを飲みながら、リラックスしてここで過ごせば気分はコロニアル!
おすすめ料理はシェパードパイとベジタリアンサラダです。
所在地 | 79 Cross the village of Yung Shue Wan Long Valley, Lamma Island, Hong Kong |
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営業時間 | 金曜から水曜まで 09:00am-21:00木曜定休 |
電話 | +852-2982-8585 |
予約 | Bookworm Cafe |
ラマ島へ早速行ってみよう
同島は香港の居住可能な島のなかでも、とくに南国的な雰囲気を色濃く持っている地域で、アクセスもよく、海と山とが程よくあいまって、トレッキングと海水浴、地元の海鮮料理や洋風のバー、カフェなど、様々な楽しみがつまった素敵なエリア。
ぜひ明日、日帰りで行ってみませんか?