
港珠澳大橋(こうじゅおうおおはし)はご存知でしょうか?
構想は30年前で、2009年12月15日に正式着工してから2018年10月23日に珠海で開通式が行われた橋で、中国広東省珠海市と香港新界離島区ランタオ島およびマカオ花地瑪堂区を結ぶ海上橋です。
今回はこの、世界的にも珍しい海上橋「港珠澳大橋(こうじゅおうおおはし)」について紹介します。
新しく開通した港珠澳大橋
港珠澳大橋(こうじゅおうおおはし)は、中国広東省珠海で10月23日、珠海と香港、マカオをつなぐ世界最長の海上大橋として開通式が開かれた橋です。
海底トンネルも含めると約55キロにもなり、総工費は約1100億元(約1兆8千億円)と膨大な費用がかかった橋でもあります。
大橋の建設は構想から30年と言われており、地元経済界の悲願だった橋でもあります。
以前は、香港・珠海間は約4時間かかっていたのですが、開通後からは約45分と大幅に短縮され、「大橋そのものが観光の名所になる」と期待されている橋でもあります。
港珠澳大橋 誕生の経緯
港珠澳大橋はどのようにして造られるきっかけとなったのでしょうか。
その誕生の経緯がwikipediaで確認できたので参照してみましょう。
1983年に胡應湘(Gordon Wu)、合和實業(香港のゼネコン)会長が提案したのが最初と言われる。大橋の建設により30分で香港と珠江デルタ西部が結ばれ、製造業の移転や観光の促進を促すと主張した。しかし、多額の費用がかかるため、当初は具体化の動きを見せなかった。その後、1989年に珠海市が中国本土側で珠海と深圳を結ぶ伶仃洋大橋の構想を唱え、1997年に一度は国務院の承認を得た。香港政府は、この構想に一切関与していなかった。
ところが、2000年以降、香港では中国本土とのインフラストラクチャーの拡充が急務となり、胡應湘の港珠澳大橋構想が再び議論され始めた。政府財政への影響を懸念する李嘉誠を除き、財界は賛成が多数を占めた。そのため、香港政府も検討を開始し、2002年9月20日の第三次内地(本土)・香港大型インフラ協力会議において、香港政府と中央政府(国家発展改革委員会)による共同研究の開始が合意された。
2002年11月には朱鎔基国務院総理(当時)も港珠澳大橋構想への支持を表明した。そのため、広東省政府も香港主導の計画に同意せざるを得なくなった。そして2003年8月4日国務院は共同研究結果を承認し、港珠澳大橋前期工作協調小組(Hong Kong-Zhuhai-Macau Bridge Advance Work Coordination Group)の設置に同意した。
また、中国政府にとってこの大橋の建設は広深港高速鉄道[9]とともにシリコンバレーに匹敵するハイテク産業集積地や東京とニューヨークを超える都市圏を目指す粤港澳大湾区(中国語版)構想の一端だったとされる。
当時では、費用的にも現実味を帯びなかった提案も、時代の流れと共に具体化されて、2009年12月15日に正式着工し、2018年10月23日に珠海で開通式が行われたのです。
まるで映画や漫画の中の話のようですね。
シャトルバスの乗り方
香港からマカオや珠海へ陸地移動できる橋として誕生した「港珠澳大橋」。
今までは、香港空港経由でフェリーに乗っていくのが一般的でしたが、港珠澳大橋の開通のおかげで行き方の選択枠も増えました。
港珠澳大橋を利用することで、香港からマカオまでフェリーで60分かかっていたのが30分と短縮され、さらに香港から珠海まで陸路で4時間かかっていたのが、40分と大幅に短縮されました。
しかし、どこから乗れば良いのか?料金はどのくらいなのか?など、疑問点も多いですよね。
そこで、香港からマカオへ行く際のシャトルバスの乗り方について詳しく見てみましょう!
どこから乗るか
港珠澳大橋を利用して、香港からマカオへ行きたい場合は、「香港口岸(Hong Kong Port)」からシャトルバスに乗ります。
香港口岸は、香港国際空港の東側に位置しており、香港空港から循環バスB4に乗ることで、香港口岸へ行くことができます。
また、香港市内から、「香港口岸(Hong Kong Port)」まで行く場合は、エアポートバスのA系統で空港を経由して香港口岸まで行くか、MTR東涌線の「Sunny Bay(欣澳駅)」か「Tung Chung(東涌駅)」まで行き、そこから香港口岸行きのバスに乗り換える方法の2通りがあります。
この行き方さえ覚えておけば、香港口岸へ辿りつくことができるのでご安心を。
シャトルバスの料金はどれくらい?
香港口岸へ辿りついたら、港珠澳大橋でマカオへ向かうのですが、シャトルバスの料金はどのくらいかかるのか気になりますよね。
料金は、6:00~23:59の間が65HKD(約910円)、0:00~5:59の間が70HKD(約980円)です。
この料金は、香港口岸からマカオへ向かう場合と、香港口岸から珠海向かう場合どちらも同じ料金で利用することができます。
日本円にして約1,000円で時間を大幅に短縮できるので乗らない選択肢はもはやないのではないでしょうか。
ちなみに、チケットは、バスターミナル1F出発エリアのカウンターか自動販売機で購入することができます。
運行時間
香港口岸から乗るシャトルバスは、基本24時間運行しているのでいつでも乗ることができます。
また、シャトルバスが出発する感覚も短いのでストレスを感じることもほとんどないと言えます。
通常は10分~15分間隔で次々とシャトルバスが出発します。
人が多いようなピーク時では5分間隔になったり、逆に人の少ない深夜帯は30分間隔となったりすることもありますが、待てない間隔ではないので安心です。
バスを利用する際の注意点
シャトルバスを利用する場合は、いくつかの注意点もあるので確認しておきましょう。
- 香港空港から香港口岸までのバスはおつりがでない
- 自販機での購入には、オクトパスorマカオパスが必要
- 1台に乗り切れないような場合は次のバスの到着を待つ
- そのため、利用者が多い場合はバスの待ち時間が発生する
- 深夜は日中より本数が少ない
「香港空港から香港口岸までのバスはおつりがでない」「自販機での購入には、オクトパスorマカオパスが必要」以外は、香港だけでなく、どこでも起こりうる注意事項なのでそこまで気にはならないかもしれませんが、このようなことがあるということも頭に入れておくことで万が一の時にストレスを軽減させることができるので覚えておいてもいいですね。
イミグレーション・入国審査について
マカオはポルトガルに統治されておりましたが1997年に中国に返還されてからは、特別行政区になっています。
入国には、日本人の場合は90日以内の観光であればビザは不要なのですが、中国の特別行政区の為、中国との移動には入国審査が必要になります。
香港からマカオへ行く場合、また、マカオから香港に戻ってくる場合も、それぞれに入国審査があります。
入国審査時に香港国際空港で書いたアライバルカードの控えが回収されますが、混んでいなければ5分程で審査は終わります。
歩いて、自転車で行ける?
港珠澳大橋が開通したので、中には歩いて、もしくは自転車で渡ってみたいと考える方もいるのではないでしょうか?
ですが、残念ながら歩いて渡ることも、自転車で渡ることもできない自動車専用の道路です。
全長が55kmもあるので、許可されてないのもわかりますよね。
また、自家用車だとしても、香港からマカオへ入ることのできる車の数が1日当たり300台までと制限されているため通常に入ることも不可能です。
現地でレンタカーを借りて渡ってみたいと考えている方は、事前申請をする必要があるようです。
もしレンタカーなどで渡る機会がある場合の注意点としては、香港では左側通行なのですが、港珠澳大橋では右側通行だということを覚えておきましょう。
どうやら港珠澳大橋では、中国の交通ルールが適用されるようです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、世界的にも珍しい海上橋「港珠澳大橋(こうじゅおうおおはし)」について紹介してきました。
まとめると、
- 港珠澳大橋は中国広東省珠海にある
- 珠海と香港、マカオをつなぐ世界最長の海上大橋
- 全長は55km
- 総工費は約1100億元(約1兆8千億円)
- 大橋の建設は構想から合わせると30年
- 「大橋そのものが観光の名所になる」と期待されている
- 港珠澳大橋を利用することでマカオなどへの移動時間が大幅に短縮
- 港からマカオへ行きたい場合は、「香港口岸」からシャトルバス
- 香港空港から循環バスB4に乗ることで、香港口岸へ
- シャトルバスの料金は、6:00~23:59の間が65HKD(約910円)、0:00~5:59の間が70HKD(約980円)
- チケットは、バスターミナル1F出発エリアのカウンターか自動販売機で購入
- シャトルバスは、基本24時間運行している
- 通常は10分~15分間隔で次々とシャトルバスが出発する
- シャトルバスを利用する場合は注意点がある
- 香港からマカオ、マカオから香港は入国審査がある
- 歩き、自転車では渡れない
- 香港では左側通行、港珠澳大橋では右側通行
2009年12月15日に正式着工し、2018年10月23日に珠海で開通式が行われたこの橋は、すでに世界中でも話題となり、橋そのものが人気の観光名所となっています。
利便性と世界最長の海上大橋と魅力も満載なので、お近くへ訪れる機会があれば、シャトルバスで渡ってみてはいかがでしょうか。