テンプルストリート

「香港の街を歩く」と言って出てくる場所が、旺角の女人街と、ここテンプルストリートになるでしょう。

昼間はローカルな普通の道ですが、夕方5時近くになると続々と夜店が出来始めます。

お店で取り扱っている商品は多種多様。

「香港」と書かれたTシャツや、古き良き中国を思わせる竹細工や陶器の工芸品。
チャイナ服やメイドインチャイナのおもちゃや安い女性ファッション小物など、玉石混合のあらゆるものが売られています。

佐敦(ジョーダン)から油麻地(ヤウマーテイ)までの一駅分の距離、長さは1キロあるかないかですが、ネオンのともった夜店がびっしりと立ち並ぶさまは、香港ならではのカオス感を味わえる場所となっています。

周辺を歩くのも楽しいテンプルストリート

テンプルストリート

お土産や写真撮影以外の目的でテンプルストリートを訪れた人は、そこだけ歩いてもあまり魅力を感じないかもしれません。

しかしテンプルストリートの魅力はそこだけに留まらないのです。

テンプルストリート本線は、前述のようにお土産屋さんの屋台がほとんどなのですが、一本西側の道に行ってみると、そこは油麻地のマーケットがある通りになります。

テンプルストリートの夜店がもっとも盛り上がる20時過ぎにはどの店も閉店してしまうので、訪れる時間に要注意ですが、油麻地のマーケットは、朝は6時ぐらいから、夕方7時近くまでやっています。

新鮮なライチ・ランブータン・ドラゴンフルーツ・ドリアン・竜眼など、季節のフルーツが日本では考えられないような安い値段で手に入ります(ライチや竜眼を枝ごと買っても500円などです)。

砲台街(パオタイガイ)の油麻地マーケット(街市)には、香港の街市らしい、生きたカエルやざっくりとアルミの皿に盛られて量り売りされている南の海の魚など、香港でしか見られない風景を見ることができます。

油麻地マーケットの周り、上海街にも昼の間はびっしりと屋台の食品市場が立ち並び、香港の地元の人の台所を覗くことができるような雰囲気があります。

廟街が活気づく、ほんのひと時前に着いて、油麻地マーケットを歩いてみるのもまた楽しい思い出になること間違いなしです。

テンプルストリートの別名は「男人街」

旺角にある「女人街」と比較対象として、テンプルストリートは「男人街」と呼ばれています。

テンプルストリートのメイン道路に売られているものはさほど変わりがないのですが、なぜテンプルストリートは「男人街」と呼ばれているのでしょうか?

その理由の一つが、テンプルストリート北門を出た場所にあります。

テンプルストリートの名前の由来「天后廟」という小さなお寺がそこに建っているのですが、その周辺をコの字に囲むように、大人のおもちゃをとりあつかう夜店が出るのです。

お店にして20軒から30軒でしょうか。
あまりにオープンに売られているので、一緒に歩く人を選んだほうがよさそうです

もう一つの理由が、テンプルストリート周辺には、俗にいう「立ちんぼ(売春婦)」が多く立っているところに起因しています。

男性観光客ならば、おそらく皆声をかけられた経験があるでしょう。

交渉が決まれば、一本裏路地の上海街の套房(昔ながらの住宅ビルの中の長屋)の一室に連れていかれます。

そこが置屋のようになっているのでしょう。

ビルの階段の前には置屋の番人のようなおばあさんが座って監視しています。もしかしたらこのおばあさんにお金を払うのかもしれません。

香港の闇の一面がそこにはあります。

香港といえば翡翠(ジェイド)の街

ジェイドマーケット

天后廟の近くには「翡翠市場」(ジェイドマーケット)という宝石市場もあります。

こちらも油麻地マーケットと同じく昼間の時間帯のみオープンで、しかも結構閉まるのが早く、夕方5時ぐらいには閉店しているお店が多いです。

こここそまさに言葉の通り「玉石混合」を地でいくようなマーケットです。

よほど目利きの人以外は、見学することを目的に訪れた方がよい場所といえます。

しかし、香港の地元の人が結構な割合で胸にしているドーナツ型の翡翠のペンダントヘッドや、その他手軽なパワーストーンをお土産に購入したいときには、いろいろなお店の色々な品を選べるので良いかもしれません。

香港人が胸にしているドーナツ型の翡翠→
翡翠
出典 : https://gokutsuma3.exblog.jp/

個人商店ですから、値引き交渉も可能です。
(むしろ香港のマーケットで言い値購入はいけません)

3つ4つ以上購入し、最初に言われた金額の半値ぐらいを提示するとよいでしょう。
そうしたらお店の人はだいたい8割~9割ぐらいの金額を言ってきます。
そしたら〆たもので、今度はこちら側から6割~7割ぐらいの金額を提示します。
すると大概7割5分~8割弱の価格で落ち着いてくれます。

このような香港では日常の駆け引きを経験できるのも、マーケットの醍醐味です。

テンプルストリートでローカル飯を食す

テンプルストリートは2013年前後の北門・南門ができたあたりから観光地化が急速化し、周辺のローカル飯屋さんが、どんどん改修され、お高いばかりで味はそれほどでもないお店が多く出現してしまいました。

テンプルストリートの近くの海鮮屋台も、観光客ばかりのお店が多く、地元の海鮮屋さんに比べると、蝦蛄1匹、油菜1皿にしても3割増しから5割増しの価格帯になっていると思われます。

確かに香港ローカル風オープンテラスなローカル飯は雰囲気こそ味わえますが、値段のわりに粗雑なサービスやきれいとはいいがたいテーブルや椅子や食器に、払った金額とのギャップを感じ、モヤモヤした気分になってしまうことが必至であると予想がつきます。

決してきれいとはいいがたい環境の露天海鮮店→
露天海鮮屋
https://www.ab-road.net/

同じ粗雑なサービスやきれいとはいいがたいテーブルや食器なら、安い方がいいに決まっています。

それが証拠に、テンプルストリート南寄りの夜の海鮮店は、そのほとんどのお客さんが欧米人や中国人・日本人の観光客が占めています。
地元の人はあえて行きません。高いとわかっているからです。

では地元の人はどこに行くのでしょう。

テンプルストリートは北門を出て、さらに北に続いています。
北門を出、大人のおもちゃ屋台を過ぎ、天后廟を過ぎ、更にもっと続いているのです。

テンプルストリートの最北端。
そこがローカル民でごったがえす、穴場の飲食店街なのです。

ここの一角には、海鮮店をはじめ、麺屋、粥屋、火鍋屋、煲仔飯(ボーチャイファン/冬限定の香港風釜飯)屋と、まさに香港人が古くから愛する地元の料理屋さんが立ち並ぶのです。

煲仔飯→
煲仔飯
出典 : https://ameblo.jp/erihktabearuki/entry-12337168083.html

しかもどの店も大繁盛!
お店の外に並んだ丸椅子に座って待たされることも日常茶飯事です。

ここまで歩いてくるとすでに旺角も目と鼻の先あたりの地点ですので、佐敦から歩いてくる人、特に観光で訪れるお客さんはなかなかここまでは歩いては来ないでしょう。

と、いうこともあって、テンプルストリートにあってもまだなお観光地化されておらず、お客さんも地元民がほとんどで値段もリーズナブルな状態がいまだに続いてくれているのです。

ディープなテンプルストリートを味わえる絶好の場所です。

まとめ

・テンプルストリートの魅力は南門から北門までの間だけではない。

・テンプルストリートは別名「男人街」。理由は大人のおもちゃ屋と売春婦。

・裏の上海街・砲台街の油麻地マーケットは地元の台所。安くて新鮮な南国フルーツや、地元食材を見学出来てディープな香港を見聞できるチャンス。

・天后廟に近い翡翠市場(ジェードマーケット)に行くなら、安い翡翠をまとめて値切り買い。

・テンプルストリートでローカル飯を食すなら、最北端まで歩くべし。

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