香港の朝方

香港は世界有数の経済都市となっていて、日本から仕事で移住する人も多いです。

治安も良く住みやすい環境が整っている香港ですが、永住するためには専用の永住権が必要になります。

永住権は申請をしなければ取得が出来ませんが、申請の際にも条件など事細かに定められています。

一見するとわかりにくい永住権の申請方法ですが、自分の条件と照らし合わせて考えればそれほど難しいものでもありません。

今回の記事では、香港の永住権の申請方法についてわかりやすくご紹介します。

香港の永住権とは?

パスポートとビザ
日本から香港へ入国するためにはビザが必要となります。

例外として日本国籍の人で90日以内の滞在であれば不要となりますが、ビザを取得しなければ永住権の条件を満たすことが出来ません。

永住権はパーマネントビザと呼ばれていて、この永住権を取得すると香港人と同じ権利を獲得できます。

香港で暮らす全ての人に携帯が義務付けられているIDカードもありますが、永住権を獲得すると「HK PERMANENT IDENTITY CARD」と呼ばれる香港永久性居民身分証に切り替わります。

永住権を獲得することにより、IDカードが変更されて香港人と同じ権利が与えられると覚えておきましょう。

海外から訪れる外国人は滞在資格に関して様々な制限がありますが、永住権を獲得することによってそれらが一切なくなるのです。

永住権のメリット

永住権を獲得するメリットとは何なのでしょう。

手間に見合うだけのメリットが無ければ申請するのも何だか億劫になってしまいますよね。

永住権の獲得は少し敷居が高いですが、それに見合うだけのメリットもあります。

永住権を獲得するとどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

就労制限がなくなる

会議中
現地採用で働いている方に当てはまりますが、香港で働く場合は入国管理局へ申請しなければいけません。

転職の場合も同様で、仕事先を変える際は入国管理局へ申請を行って、雇用主の変更をする必要があります。

しかし永住ビザであれば転職の際に行う面倒な申請の必要がなくなります

仕事をいくつ掛け持ちしても大丈夫ですし、アルバイト先を自由に変えて大丈夫です。

日本国籍のまま

永住権は国籍変更ではありません。

香港で香港人と同じように一生を終えることも出来ますが、国籍は日本のままなので書類上は日本人として登録されたままです。

日本人でありながら香港で行われる選挙にも参加できるというメリットがあります。

永住権を獲得すると香港人と全く変わらない権利を有した日本人になると覚えておきましょう。

不動産購入時の税金が免除になる

香港人や永住権を獲得している外国人以外が香港で不動産を購入すると15%の税金が課されます。

香港は土地が狭く不動産の価値が上昇しています。

そのため香港の不動産は全体的に高額で、そこへさらに税金がかかるとかなりの出費になってしまいます。

アパートの一室を購入したいけど、少しでも費用を抑えたい場合は永住権を獲得した後に購入するとお得です。

マカオへの入国時、パスポートが不要

香港と同じく中国の特別行政区となっているマカオへ入国する際にパスポートが不要になります。

これは入国の際に香港のIDカードで入国ができるためです。

仕事の都合で香港とマカオを往復しなければならない場合に非常に助かるメリットの一つです。

永住権のデメリット

困ってる人
永住権取得はメリットばかりではなく、当然デメリットもあります。

香港に住む現地人の一人として扱われるため、少しめんどくさい事もあります。

まず、香港の永住権は失効する可能性のあるものです。

永住権を取得しても3年(36か月)以上香港を離れてしまうと永住権は失効してしまいます。

せっかく取得したにも関わらず失効してしまってはもったいないですよね。

しかし飛行機での乗り継ぎや数日間の滞在でも入国記録が残れば情報が更新され、そこからさらに3年の猶予が与えられます。

そう簡単に失効するものではないので、長期間香港を離れる場合はご注意ください。

香港には日本の裁判員制度と同じ制度があり、香港人の中からランダムで陪審員が選ばれます。

永住権を取得していると陪審員にも選ばれることもありますので、ご注意ください。

香港・永住権申請方法とは?

メリット・デメリットを把握した上で香港の永住権の申請方法について見ていきましょう。

香港の永住権申請の条件となるの「香港で7年以上の居住歴がある方」と「配偶者又は子供が永住権持つ場合」のみです。

仕事や投資、研修などでビザを取得し、有効期限を更新し続けることで7年の居住歴が付くことが多いですが、出張や帰省などの理由で香港を離れていた日数は含まれませんのでご注意ください。

配偶者又は子供が永住権を持っている場合は居住歴に関わらず香港での永住権が得られます。

現地の男性・女性と結婚すれば自動的に永住権を持ち、香港籍の子供が香港で誕生すれば永住権獲得の条件を満たします。

この条件にまず自分が当てはまるのかしっかりと確認しましょう。

永住権申請時に必要な書類

干されたパスポート
永住権を申請する際にはいくつかの書類を香港特別行政政府入境事務所へ提出しなければいけません。

  • ・自分の香港IDカードのコピー
  • ・自分のパスポートのコピー
  • ・雇用証明書、納税証明書、入出国履歴などの過去7年間の継続した滞在を証明する書類
  • ・家族関係の証明書(※家族の申請が必要となる場合のみ)



これらは必須となりますので、必ず申請時に持っていくようにしましょう。

税金の領収証でも滞在の照明が出来ますので、税務署へ行って領収証を発行してもらうのも一つの手です。

香港永住権の申請方法

では用意した書類はどこへ持っていけば良いのでしょう。

香港特別行政政府入境事務所という場所に持ち込み・郵送・インターネットでの申請の3種類の方法で持ち込むことになります。

受領後は一定期間後に受領完了のお知らせが郵送で届き、何か問題や修正箇所などがあれば事務局から連絡が来ます。

書類に不備がある場合は追加提出の書類など書く必要がありますので、その時は事務局の指示に従ってください。

申請後の流れ

何事もなく申請が受理されてると香港特別行政政府入境事務所から日時を指定された郵便が届きます。

郵便を受け取った日から大体1ヶ月後の日付と時間が指定されていますが、都合が悪ければ別の日にずらすことも可能です。

日時を変更する際は電話で伝えるのが確実です。

指定日に事務所を訪れて簡単な面接を行い、問題が無ければそのままID切り替えの手続きを終えて終了です。

まとめ

いかがでしたか?

今回の記事では、香港の永住権の申請方法についてわかりやすくご紹介しました。

7年以上香港で暮らしている方や香港人と結婚する場合に永住権の申請を行いますが、事前に準備する書類が少し面倒なだけで申請はすぐに終わります。

ご自身がしっかりと満7年香港に居るのか、ちゃんと滞在を証明できる書類はあるのかなど確認をしましょう。

同じ会社で7年以上働いていれば申請も楽ですが、複数社で働いていた場合は税金で証明した方が早い場合もありますので、ご自身の経歴を考慮してください。

申請も直接持ち込まなくても郵送やインターネットから申し込みが出来ますので、ぜひ活用してみてください。

最低でも1ヶ月はかかりますので、なるべく早く申請をすまされたい場合はなるべく早く準備しましょう。

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