
高層ビルや商住一緒の雑居ビルばかりの香港の街並みに、コンクリートで固められたビクトリア湾の沿岸を見ると、
「え?香港ってビーチなんてないんじゃないの?」
なんて思いがちですが、香港の街を少し離れると、そこには砂浜の広がるビーチも存在するのです。しかも意外と街中から近い場所に・・・。
香港のビーチは2種類ある
香港人は海水浴をあまりしません。
子どもは泳いでも、大人はほぼ泳がないといってよいでしょう。
水泳は高級マンション住民ならばマンション内のプール。
一般市民ならば公共のプール。という感じで、比較的身近な場所にプールがあるので、わざわざ海に入って砂まみれになって泳ぐことはしません。
日に焼けることも好きではないようなので、日中に砂浜で焼く、なんていうこともしないのです。
ではそんな香港の方々が「ビーチを楽しむ」と言ったらどんなシーンなのでしょうか。
それは「バーベキュー」と「サーフィン」に大別できます。
香港のビーチ/バーベキュー向け
食べるの大好き!人と団らんして食事を囲むの大好き!という香港人の気質から、ビーチにもBBQが付帯している場所が数多くあります。
日本のBBQのように至れり尽くせりではありませんが、食べ物を持ち寄って、ビーチで食事をするのは、香港でも大人気のレジャーです。
そんな、香港人の余暇のひとつでもあるBBQが堪能できるビーチをご紹介します。
石澳ビーチ
香港の街中から近いビーチというとまず思い浮かぶのが石澳(セッコー)です。
地下鉄・港島線またはトラムで筲箕灣(シャウケイワン)まで行き、そこから「石澳」行きのバスに乗り換えます。
しばらく走ると砂浜が見えてきます。
ここは香港サイドに住む人たちの、御用達バーベキュービーチになります。
石澳のBBQ場は、ビーチの脇に焼き場があり、個人客から数十人の団体客まで収容できることから人気のBBQ場です。
スタンレイ・レパルスベイ
出典 : https://plazform.wordpress.com/category/uncategorized/page/2/
香港島の裏側、スタンレー~レパルスベイの沿線も、きれいな砂浜の景色とともに、政府の運営する公営のBBQ場が点在します。
レパルスベイは風光明媚なのですが、高級マンションが点々と立ち並ぶのみで、特に観光地ともいえない地帯が続くので、バスの停留所も少なく、また、かりにバスを降りられたとしても知人の家でもない限り、行く場所がなくて途方に暮れてしまうような地域です。
土地に明るい人と一緒に行けば、バス停からタクシーに乗り換えたり、また、市街地からタクシーでダイレクトに連れて行ってもらえるでしょうが、そうでないとなかなかたどり着けそうもない穴場なビーチポイントが点在します。
舂坎角ビーチ
舂坎角(Chung Hom Kok)のビーチはタクシーでないとなかなか行けない場所です。
そんな場所ゆえ、通常なら場所取りが大変な公共のBBQ場でも、比較的空いています。
穴場を探している方はこちらがおすすめです。
聖士提反湾
出典 : https://ilovehongkong.org/
聖士提反湾(St Stephen’s Beach)はスタンレイにありながら、メイン通りから外れた場所にあるため、メイン通りの喧騒を忘れられる静かな場所です。
欧米人が犬の散歩をしていたりするちょっとセレブな感じのビーチで、海水浴をする人も他のビーチに比べるとそう多くはありません。
なのでBBQのついでに海水浴も楽しもう・・・となると、もしかしたら嘲笑にあうかもしれません。
すぐ近くに、海岸を見下ろすような位置にあるおしゃれなレストランやカフェがあるからです。
パラソルの下で砂浜の景色を眺めながらほんのり日焼けを楽しむ・・・くらいの方が良いかもしれない雰囲気のビーチです。
ラマ島/洪圣爷湾泳滩ビーチ
出典 : https://4travel.jp/
洪圣爷湾泳滩(Hung Shing Yeh)はラマ島にあるビーチです。
榕樹湾から索罟湾に向かってハイキングしている途中に広がるビーチです。
場所柄、ほとんど混んでいません。
政府運営のBBQ場がすぐちかくにありますが、大概のハイカーは索罟湾での海鮮三昧を目指して歩いているので、この場所でBBQすることはよほどのことがない限り(「このBBQ場で食事をしよう!」と目的を持ってきている人以外は)ここでBBQすることはないでしょう。
広がる砂浜を風景をながめつつ、ハイカーは目的地に向かって足を止めずに黙々と歩き続けることでしょう。
広々としたきれいな景色のビーチなのですが、ややもったいない気もします。
釣魚灣
釣魚灣(Anglers’ Beach)は、新界の青山公路沿線にあります。
このあたりもレパルスベイ付近のように、高級マンションが立ち並び、旺角や沙田から、深井や屯門行きのバスで経由する場所ではありますが、土地に明るくない人は、どこへ行ったらよいのかわからないようなエリアで、特段観光名所があるような場所でもありません。
しかし、それだけに、地元の人たちが余暇で仲間たちや家族同士で集うような、香港らしい風景が広がるビーチでありBBQ場であります。
続いては、「香港の方々も波を楽しむ!」サーフィンを満喫するためのビーチをご紹介しましょう。
サーフィンをするためのビーチ
香港のあの高層ビル群と、その眼下に広がる、ほとんど波のないビクトリア湾の景色を見ると、「え?サーフォンが出来るような高波の場所が香港にあるの?」と疑問に思うかもしれませんが、あるんです!!
香港にも、サーフィンが出来るビーチが!
大浪灣
出典 : http://ago35.jp/
大浪灣(タイローワン)は香港島の東のはずれ、BBQでも出てきた石澳の近く(さらに奥)にあります。
香港島内ということもあり、お気軽なサーフィンエリアとして人気です。
波はまあまあらしいですが、一年通じて波が平均ではないこと(季節によっては波が低すぎてよく乗れないそうです)といったこともあるそうです。
しかし、香港島内ということもあり、欧米人や日本人の若いエグゼクティブのような駐在員系の人たちが多く集まってくるので、香港の典型的な日常とはかけ離れた、香港の【人種のるつぼ】的な一面を垣間見ることが出来るかもしれません。
長沙
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長沙(チャンサ)はランタオ島の南側。ちょうど香港国際空港の真反対側に位置します。
このあたりの海(ランタオ島の南から、ラマ島の西側のあたり)は比較的高波が押し寄せるエリアだそうで、中でも長沙はサーファーにとって、多少交通は不便でも、ぜひ行きたいビーチのひとつなのだそうです。
大浪灣(西貢)
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大浪灣(タイロンワン)は香港島にある石澳の近くのビーチのほかに、新界エリア西貢(サイクン)の近くにもあります。
こちらは陸路で行くことが出来ず、日に数本の漁船のような船で行くことが出来る秘境のようなビーチです。船を降りた後も、板をもって山道の間を縫うように長いこと歩かなければならないという本当に秘境のようなビーチなのです。
しかし、この秘境ビーチ、香港在住のサーファーの間では絶大な人気を誇るサーフィングエリアなのです。
波の高さは香港一。
海のきれいさも、ビーチの広さも、サーフィンをするには、香港の中で一番楽しめます。
ただ、交通が不便なのと、海の水の濁りがないうちに楽しみたいというコアなサーファーは日も明けぬうちから家を出て、午前中の早いうちからサーフィンを楽しんでいます。
まとめ
・香港には意外とビーチが存在する
・ビーチはだいたい二種類
① BBQを楽しめるビーチ
② サーフィンを楽しめるビーチ
・香港のビーチには政府が運営する公共のBBQ場がいくつもある
・場所が不便で地元の人しか使わないようなBBQ場も多いが、そんな場所の方がローカルの人の生の余暇の姿を感じられる
・サーフィンを楽しめるビーチは数か所あるが、西貢の秘境ビーチ「大浪灣」が一番素晴らしい