
日本で暮らしていると、あちこちでコンビニを見かけますよね。
特に都市部では「石を投げればコンビニに当たる」と言われているほど、その店舗数は目を見張るものがあります。
ほとんどの店舗は24時間営業で、住民の方々だけではなく、偶然訪れた土地でも安心して入れる場所として、誰しもが毎日のようにお世話になっている場所と言えます。
では香港ではどうでしょうか。
今回は香港のコンビニ事情についてまとめてみました。
また、普通に香港のグルメを楽しみたいという方は、「香港は安いグルメの天国!おすすめの庶民に人気の料理をご紹介」こちらも参考にしてみて下さいね。
香港コンビニの特徴
香港では銅鑼湾や尖沙咀のような都心部を中心に路面のコンビニ店が多く店舗を構えています。
郊外のほうに行くと、路面のコンビニ店はあまり多くなく、駅を出たところすぐや、高級な大型マンションに付帯したショッピングセンターの一角などにあります。
しかしそのようなどちらかというとクローズドな店舗は夜中営業していない場合もあります。
香港のコンビニの需要
香港のコンビニの需要は、日本と同様に立地などによって大きく異なります。
香港でも観光地である銅鑼湾や尖沙咀のコンビニ店は、観光の外国人の需要が高いです。
ホテルの部屋でつまめるようなスナックや缶ビール・コーラなどのソフトドリンク、そして応急処置のできる頭痛薬やのど飴といった商品が売れ筋商品のようです。
缶ビールはローカルのサンミゲルなどのほかに、一番搾りなどを置いている場合もあります。
これは明らかに日本人観光客向けと思われます。
佐敦やホンハム、それ以外もローカルな住宅地域のコンビニは、パンや豆乳など日用使いの商品や、カップ麺、小食(温かい、その場で食べられるローカルグルメ)なども需要が高いようです。
いずれにしても、「食の街・香港」らしく、香港のコンビニもまた、お取り扱いの商品のほぼ全てが食品になります。
土地が狭い香港の地で、小区画の中に、スーパー的要素がギュッとつまったコンビニは、香港に暮らす人、そして観光で訪れる人にとって、文字通り便利であり、なくてはならない存在ではないでしょうか。
決済はオクトパスとクレジットカードが主流
香港のコンビニが便利であるところの一つに、決済がスピーディでフレキシブルということが挙げられます。
香港の街を歩くのに必需品である八達通(オクトパス)でピッと決済できます。
オクトパスの素晴らしいところは、日本の同じようなプリペイド決済カードと異なり、残高が0円を割っても、デポジットの50HKDまでならすぐその場で不足分を現金で別に払う必要がないことです。
もしもわずかしか残高が入っていなくても、コンビニでの買い物一回分ぐらいでしたら、その場でお財布を探して慌てるようなことをしなくてもよいのです。
日本のコンビニでは最近まで使える場所があまりなかったクレジットカードも、カード社会の香港ということもあり、当たり前のように使えていました。
そのように、決済が簡単でスピーディなのが香港のコンビニのもっともよいところの一つだといえます。
香港のコンビニにはトイレがない?
そんな香港のコンビニですが、便利なだけではなく、少し不便なところもあります。
日本のコンビニといえば、「トイレを使わせてくれる場所」というイメージがある方も多いのではないでしょうか。
しかし香港のトイレは違います。
来店客に対して、トイレを開放していません。日本ではコンビニのトイレサービスが一般的であることから、日本からの観光客の方々も、それを当たり前のように感じている方も多いと思いますが、香港ではその認識が通用しません。
尖沙咀で年配女性がコンビニで「トイレ貸して!」と大きな声で店員さんに日本語でしゃべりかけて、通じないばかりか、その後「トイレは貸せない」と言われて「観光客だと思って貸してくれないのか」と酷く憤慨していた場面に偶然出くわしたことがありましたが、この女性は怒る必要が全くないのです。
なぜなら香港のコンビニでは、最初から来店客にトイレを貸すという風習がないからです。
香港コンビニ事情
続いて香港のコンビニ事情について見てみましょう。
香港のコンビニの中のサークルKとセブンイレブン
さて、そのような香港のコンビニですが、代表的なものは「セブンイレブン」と「サークルK」の二つになります。セブンイレブンのほうが圧倒的に店舗数は多いです。
しかしサークルKも都心部ではかなり健闘しているようです。
香港のサークルKについて
香港のサークルKは1985年、香港で第一号店がオープンしました。
フランチャイズの権利を持っているのは海外から色々な企業と契約しフランチャイズ経営をしている利豐有限公司傘下の企業です。
〇の中にKの字がかかれた「サークルK」はOKとも読めることから、香港では「OK便利店」という呼び名で浸透しています。
香港のサークルKはローカル小食がウリ
香港のコンビニは、ローカルグルメをつまみ食いできるということがウリの一つでもありますが、サークルKのウリもまさにそれです。
最近は土地の高騰で、10HKDもあればおなか一杯ローカルB級グルメが楽しめた小食屋さんがどんどん香港の街から消えつつあります。香港B級グルメといえば、多くの人が思い浮かべるであろう「??魚蛋」もサークルKならば店内で温めて保温されたものを買うことができます。
しかもローカル小食屋さんの、あの独特な不衛生さが嫌でローカル小食を食べられなかった方でも、大手チェーン店という清潔さや安心感で、挑戦しやすいのではないでしょうか。
咖喱魚蛋がローカル小食の人気メニューナンバーワンだとすれば、ナンバー2は間違いなく「燒賣」ではないでしょうか。香港のサークルKでは燒賣もアツアツのホカホカ状態のものをテイクアウトで購入できます。
他にも、「撈麵」も公仔麺(袋のインスタント麺)をゆでた状態で提供してくれます。
これもハマる人にはハマる!香港の街を散策し小腹が減ったら、ぜひ挑戦してほしいメニューです。
こんな風に、香港のサークルKのウリは、温かいローカル小食が食べられるということが挙げられるでしょう。
一方、セブンイレブンのほうはどうでしょうか。
香港のセブンイレブンについて
香港のセブンイレブンは、1981年に香港進出しました。(サークルKよりも少しだけ早いようですね。)
サークルKと同じくフランチャイズでローカル企業が運営していますが、シールを集めてもらえる景品に「ちびまる子ちゃん」を度々採用したり、ほかのローカル系のスーパーなどでは取り扱っていないような日本製品(スナック菓子やドリンク類)を提供していたり、日本のセブンイレブンの意識しているような店舗運営が感じられます。(198)
香港のセブンイレブンのウリの一つは「スラーピー」
香港のセブンイレブンのウリといえば、「スラーピー」!
日本のセブンイレブンでも20数年ぐらい前は取り扱っていたような気がするのですが、いつの間にか販売されなくなってしまった幻の飲み物「スラーピー」が、香港のセブンイレブンでは今でも普通に飲めるのです。
シェイクとかき氷を足して二で割ったような感じの飲み物なのですが、日本のセブンイレブンのコーヒーマシンのような感じで、購入者自身の手で入れます。
ハンドルをひねると「ムニュ~」と太く出てくるスラーピーの塊をうまく最後にチョキンと切るタイミングが難しかったりします。何度か飲むと達人的なタイミングで注ぐことができるようになります。
香港のセブンイレブンではおにぎりも買える?
他、香港のセブンイレブンでも最近「コンビニおにぎり」が売られるようになりました。
香港に住んでいて、最も懐かしい日本の味である「コンビニおにぎり」を香港でも購入することができるようになり、ますます香港の食生活の日本化が進みそうです。
そればかりでなく、冷凍されたローカル飯(排骨飯やら星洲炒麺やら)も数多く取り揃えられ、店内のセルフレジで温めれば、たとえ夜中でも美味しいローカル飯が食べられるというのも、最近の香港のセブンイレブンのウリの一つと言えるでしょう。
香港のコンビニ(サークルKとセブンイレブン)に関するまとめ
いかがでしたか?
香港のコンビニについてまとめると、
- ・香港のコンビニの2台巨頭は「サークルK」と「セブンイレブン」
- ・決済はオクトパスやクレジットカードが便利
- ・トイレは貸してもらえない
- ・サークルKではローカル小食、セブンイレブンでは昔懐かしいスラーピーや、ローカル飯、日本のおにぎりなどが食べられる
次回もしも香港へ行かれるのでしたら、ぜひコンビニで「食の街」をエンジョイしてみましょう!
レストランで食べる香港料理とはまた違った発見があるかもしれません。